リハビリテーション医療の現場では、障がいを持った人々、一人一人に対して、理学療法と作業療法の両方を行います。患者さんの目指す機能回復は1つですが、その目的を成し遂げるためには2つの異なる方法が必要となるからです。たとえば、腕の筋力を強化する必要があるときには、理学療法では、理学療法士による徒手的な抵抗や重りを用いたトレーニングを行います。一方、作業療法では、木工・陶芸などの作業課題を用います。いずれも重要な手法であり、2つの職種の協力によって機能回復が得られます。
教員は川崎医大附属病院リハビリテーションセンターの理学療法士・作業療法士を兼務しており、日々患者さんの治療に携わっています。これにより、学生は実習において教員の受け持つ患者さんを担当することができます。
学内実習は1・2年次、川崎医大附属病院リハビリテーションセンターにて行われ、3年次の臨床実習は学外の病院などで行われ、いずれも十分な実習時間を設けています。このため、臨床場面の雰囲気を体験したり実際の経験を積み重ねたりすることができます。実習は少人数で行っており、教員は学生の理解をより深めるように教育に取り組んでいます。
各学期ごとに附属病院リハビリテーションセンターで、教員について臨床場面の見学を行います。理学療法士・作業療法士としての具体的な仕事や患者さんとのコミュニケーションを学びます。
作業療法で用いる各技法(木工・籘細工・七宝焼・革細工・陶芸など)の体験を通して、身体・精神機能の治療に用いるための考え方を学習します。
1学期毎週1回、リハビリテーションセンターで患者さんの症状に対して評価を行い、問題点を把握し、理学療法士・作業療法士としての目標や治療プログラムを立案します。また、社会人としての基本的なルールを身につけます。
医科大学の解剖学教室で、筋肉や内臓、脳・脊髄・末梢神経についての知識を学びます。
筋収縮・感覚機能に関する実習、人の血圧や皮膚感覚に関する実習などを行います。
心電図、呼吸代謝、床反力、動作筋電図などをグループに分かれて実習を行います。
寝返り・乗り移り動作、歩行を中心に、各障害別に動作や介助の方法について習得します。
温熱・寒冷・電気・水治療法などの適切な手技やリスク管理を学びます。
川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター、川崎医科大学総合医療センター、川崎医科大学高齢者医療センターをはじめ、医療機関や諸施設と連携して、臨床実習を行っています。実習施設は中国地方を中心に全国に多数あります。
2024年4月現在
施設数 | 施設数 | ||
---|---|---|---|
岡山県 | 64 | 愛媛県 | 2 |
広島県 | 12 | 福岡県 | 1 |
山口県 | 1 | ||
兵庫県 | 5 | ||
香川県 | 1 |